はじめに


 
松田雅央 ドイツ環境情報のページ / カールスルーエ市 河川局

カールスルーエ市の河川局

ドイツ環境情報のページとは?

ここはドイツでフリージャーナリストとして活動する松田(MASA@管理人)が運営する環境のはなしドイツ生活情報のページです。「ドイツの水はおいしいの?」、「空きビンはどうするの?」、 「ビオトープって何?」 そんな素朴な疑問から出発して、ドイツの人々がどんなふうに環境問題に取り組んでいるのか一緒に見てみましょう!

このサイトは2000年3月に「ドイツ 水の話」としてスタートしましたが、内容を充実させるにつれて、サイトの名前と内容が一致しなくなってきました。そこで、初めて訪れる方にも内容が分かりやすいように、2001年5月「ドイツ環境情報のページ」と名前を変えました。

カールスルーエ市

松田雅央 ドイツ環境情報のページ / カールスルーエ城私が住むカールスルーエ市は人口約28万の中核都市で、ドイツ南西部、フランクフルトから列車で南に約1時間のところにあります。街は広大な黒い森地方の北端に位置し、街の西側をライ ン川が流れています。 日本の都市と比べて緑が多く、街の真ん中でリスを見かけることも珍しくありません。

街の歴史は比較的新しく、1715年カール公爵が巨大な森を切り開いて造りました。カールスルーエ城(写真)を中心として放射状に主要道が伸びているので『扇の街』とも呼ばれます。カールスルーエの名前はドイツのメディアによく登場しますが、それは憲法裁判所と連邦最高裁判所という、2つの連邦最高司法機関があるから。これらが首都ベルリンではなく地方都市にあることが、地方分権の考え方を強く表しています。最大の産業はライン河の港湾地帯にあるコンビナートを中心とする石油産業で、他に情報産業、エレクトロニクス産業、自動車関連産業などが盛んです。

このサイトでは、主にカールスルーエ市の環境保全の取り組みを紹介します。再生エネルギー、ゴミ処理、クラインガルテン、市民活動など興味深いテーマはたくさんありますが、とりわけ、公園局が中心となったビオトープや緑地の積極的な整備が特徴です。また、トラム(路面電車)を中心とする優れた近距離交通システムは、広く「カールスルーエ モデル」として知られています。これらの視察・見学のため、日本だけでなく世界各地か ら多くの人が訪れます。

サイトの目指すもの

このサイトにいらした方は、必ずどこかで「環境先進国ドイツ」という言葉を見たり聞いたりしたことがあると思います。しかし、私はこの言葉に多くの疑問を感じます。

確かに、ドイツの環境保全の取り組みは優れていて、世界に誇れる点がたくさんあります。でも、ドイツ自身が試行錯誤の真っ最中だし、ドイツのやり方で世界のすべての問題を解決できるわけでもありません。この言葉から、多くの人がドイツに対して「環境パラダイス」のような歪んだイメージを持ってしまいますが、私はそのことに危うさを感じます。また、「ドイツの人は環境問題に熱心で、日本の人は無関心」といったステレオタイプな言い方も乱暴すぎます。

ドイツのいい所だけを伝えても日本のためにはならないし、逆に、問題のある所にだけ着目しても意味がありません。このサイトで心がけているのは、多面的に環境情報をお伝えすることです。ドイツに来て実際に見た環境への取り組みは、ポジティブな意味とネガティブな意味でそれまで持っていたイメージと違うものでした。 その上で、社会制度、人々の意識、市民の声を環境政策に生かすルールなど、「総合的にみて、ドイツは進んでいる!」というのが実感です。

環境問題というと難しくてとっつきにくい印象がありますが、実際は生活の中で実行したり考えたりできることがたくさんあります。日本独自の環境への取り組みを考えるために役立つサイトを目指しています。

楽しく、ためになるサイト

また、ドイツと日本の文化交流や、人々の生活を見て感じた現代ドイツ人像についても楽しくお伝えしたいと思っています。ドイツの日本ブームについては「ドイツは今、日本ブーム?」に書きましたが、盆栽、茶道、武道、華道、俳句、日本語、日本文学、アニメなどもキーワードとして浮かび上がってきます。多くの人が日本に興味を持っていますが、良いところと悪いところを両方知 ってもらい、その上で日本を好きになってもらいたいものです。 このサイトが日本とドイツの相互理解に少しでも役立てばうれしいです。

それから、このサイトではサイクリングなどエコロジカルな余暇の話題も紹介します。ドイツで勉強したい人、旅行で来る人、なんとなくドイツが気になる人にも楽しくためになるサイトを作っていきます。短期の滞在ではなかな かわからないドイツの本音をぜひ感じてください!

2008年12月  松田雅央(まつだまさひろ)
 

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