8月の終わり、ぶどう畑の中を一日サイクリング |
夏に南フランスへ行ってきた友達に話を聞いたら、やはり食料品の値段も高くて東京にいるのと変わらないくらいだったとか。別の友達は、夏には休暇を取らず冬にまとめて取るそうです。そういうわけで、バカンスシーズンになると“街から人影が消える”ということはドイツではありません。 そんな夏休みの1日、ドイツ人の友人とドイツワイン街道を自転車で走りました。
この日はワイン街道沿いの村々で祭りが催され、全部で40万人もの人出があったそうです。自転車でワイン街道を走る人もいれば歩く人もいるし、村の祭りに来てビールだけ飲んでいく人もいます。
右手に広がるぶどう畑のさらに先には高さ2、300mの丘が続き、数kmごとに山城が建っています。そういう城は、今は廃虚かホテルやレストランなどになっていますが、それだけたくさんの領主がいたわけです。昔はかなり裕福な土地だったのでしょう。この地方の主な産業は今もぶどうの栽培とワイン造りなので、村にはワインの醸造所やワイン屋がたくさん並んでいます。
注文したのはノイヤーヴァイン(ノイ:新しい、ヴァイン:ワイン) とプラムのケーキ。ノイヤーヴァインはぶどうのジュースなのですが、店で売っているのと違うのはもう発酵が始っているところ。早い話、ぶどうの実を絞って殺菌せずにそのまま発酵させればワインになるわけで、このノイヤーヴァインは“ちょっとだけワインになりかけたぶどうジュース”です。絞ってから日がたつうちにだんだんアルコール度が高くなるので、いったいどのくらいのものなのか飲んでみるまで分かりません。実は思っていたよりアルコール度が高く、そのあとの道のりはかなりきつかった! ノイヤーヴァインはぶどうが収穫される時期、この地方でしか飲むことができません。これと玉ねぎパイがこの地方の秋の味覚です。秋にこの地方を訪れることがあったらぜ試してください!
数年前からEU内の国では国境の税関が無くなっています。税関の建物と、国境を示す看板は立っていますが車で走っていれば気付かないくらい目立たないもの。あっという間に国境を越してしまうというのは、とても不思議な感覚です。 そこから電車で帰ることもできたのですが「カールスルーエまで20kmくらいだから、自転車で帰ろう!」という友人の言葉にだまされてそのあとが大変でした。確かに地図の上で直線を引けば20kmかもしれないけれど、道は曲がりくねってます。ライン川にはそうそうたくさん橋が架かっているわけではなく、ライン川に出てから橋のあるところまで10キロ近くも走りました。 そんな具合で、シュバイゲンからカールスルーエまで60km以上も走る羽目に。毎日自転車に乗ってますが、特別のトーレーニングはしていなかったので、最後は足がけいれんを起こしそうになり大ピンチ。この日は結局、120kmを8時間かけて大走破! 何事も日頃のトーレーニングが大切ですね。
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