|
|
例えば夕食で食べた冷凍のピザ。直径30pくらいのピザを買うと"紙製の外箱"と"ピザを包むビニール製の袋"がゴミになります。どちらにもグリーンマークがついているので、分別して捨てればリサイクルされるはずですが「2ユーロのピザ1枚からこんなにたくさんのゴミ…」と、いつも複雑な気分になります。そうそう、オーブンで焼くときにオーブン用の紙を敷きますからそれもゴミに。こちらはリサイクルできず、埋め立てか焼却に回されると思います。 ドイツの商品包装は日本に比べれてずっと簡素です(ただし、プレゼントにするときは自分できれいなラッピングペーパーに包む人が多い)。スーパーでの 買い物には"買い物バック"か"買い物カゴ" を持参する人が多く、そういうものが無い人はレジで買い物袋を買うこともできます(買い物袋は30〜100円程度)。袋をもらわない代わりにクーポン券をもらうようなシステムは見たことがありません。"必要なら買う!"、実にシンプルで理にかなったやり方です。 でも、野菜や果物は量り売りなので備え付けの小さなビニール袋(あるいは紙袋)を使う必要があります。それから、ピザでもチョコレートでも値段と大きさの割りに発生するゴミが非常に多い。いつもゴミであふれかえっているアパートの共同ゴミ置き場を見るたび、いくらシステムを整えても100%解決することのできないゴミ問題の難しさを感じます。ドイツでも、ゴミの減量・分別・リサイクルなど市民の意識を高めるのは非常に難しいことですし、まだまだリサイクルできないゴミも発生します。それから、リサイクルできるにしても(市民にとっては)必要ない無駄な製品(例えばほとんど誰も読まない多量のチラシ)が非常に多い。こうしてみると、ドイツでも これから求められるのは"ゴミが出ない・ゴミが極端に少ない流通・社会システム"。例えば「冷凍のピザは10枚一組を紙製の箱だけで包んだものしか売れない。」なんてのはどうでしょう!? 将来の社会像はさておき、今現在のゴミ問題をどのように改善してゆけばいいのか? ここではドイツのゴミ事情をお伝えします。
|
さて、家庭から出るすべてのゴミを上記のコンテナに捨てられるわけではありません。 他のゴミはどのように処分すればいいのか?
そういう疑問に答えてくれるのが、市の清掃局。私の手元にも、清掃局が作成している小さな
家庭ゴミハンドブックがあります。◇このトピックではゴミの捨て方・リサイクルの方法を便宜的に
6種類に分けることにします。
ゴミの内訳と捨て方 〜家庭ゴミハンドブックから〜
表を見ると、1種類のゴミでも多くの処分方法のあることがわかります。
例えば古紙・ダンボール。"@資源"に捨てることもできますが、量が多くなると他のゴミを入れるスペースが無くなるかもしれません。そのために次の月から大き目のコンテナを借りるなんていうのも経済的に無駄な話。また、リサイクルのことを考えても
古紙は古紙だけでまとめて捨てるのが理想です。
他の方法として、"ゴミの持ち込みセンターへ自分で持っていく"、 "古紙の収集日に出す"の2種類が考えられます(いずれも追加予定のトピック内で詳しく説明)。ゴミの持ち込みセンターは平日の営業時間内なら好きなときに持ち込むことができますから、引越しや大掃除でたくさんの古紙が出たり急いで処分したいときに便利ですが、自分で持っていかなければなりません。 "古紙の収集"は市民団体が行っており、地区ごとに1ヶ月〜3ヶ月おきで回収 に来てくれます。新聞・雑誌・ダンボールなど普段は倉庫に入れておいて、回収日に家の前に置いておくと持っていってくれるしくみ。どちらの処分方法も 無料ですが、日本のちり紙交換のように市民が"古紙を売る"代わりにお金を受け取ることもありません。(注:無料と書きましたが、ゴミ持ち込みセンターは税金のゴミ料金で運営されているし、市民団体は市から補助を受けているので本当の意味での無料ではない。) とにかく、市民にとってはこれらのシステムを利用すると 家庭のゴミが減る →小さめの(資源ゴミ用)コンテナで済む →コンテナの使用料金が少なくて済む わけですから、直接的な利益があるといえます。古紙を例にしましたが他のゴミも同様で 、市民は家計・リサイクル・環境・利便性を考慮しながら、自分に一番合った処分方法のコンビネーションを選択することができます。 |
Copyright 2002 MATSUDA,Masahiro. All rights reserved |