このトピック「家庭のゴミ分別」は
財団法人 日本経済研究所の月刊誌 「日経研月報 2002年4月号」に
「ドイツ環境レポート第4回」として掲載された記事に加筆したものです。
家庭ゴミの分別
〜 システム、やる気、そして教育 〜
ドイツのゴミ処理やリサイクルシステムはいろいろな点で
日本の手本とされている。 ゴミ問題はドイツでも常にホットな話題だが、 市民はどのようにゴミと向き合って生活しているのだろう? 今回は、家庭から出るゴミの分別に焦点を当て、 ドイツの家庭ゴミを取り巻く状況をレポートする。 |
<目次 >
1. 家庭ゴミの基礎知識 |
2. ヨーグルト容器の行方を追う! |
3. その他のゴミは? |
4. ゴミ事情の周辺 |
5. 取材協力 |
◆ ゴミの分類
人の生活するところ、必ずゴミが出るもの。普通のドイツ家庭からはどんなゴミが発生し、どのように分別・処分されているのだろう? そんな疑問に答えるのも市清掃局の仕事の一つであり、印刷物やインターネットを通して市民に情報提供している。試しに清掃局のHPを開き、「ゴミ処理の質問」の項目をクリックしてみる。アルファベットのインデックスがあるので、まずはAをクリック。出てきた項目と、その処分方法は以下の通り。
表1.1. ゴミの種類と処分方法
資料提供:カールスルーエ市清掃局のHPを元に松田が作成
ゴミの種類 |
処分方法 |
事務所で使うファイル(空) | 一般ゴミコンテナ |
廃車 | 車の引き取り業者(民間) |
まだ使用可能な古着 | 古着回収コンテナ |
古紙 | 資源ゴミコンテナ |
古タイヤ |
ゴミ回収ステーション、
又は資源ゴミステーション・マイバッハ |
アルミニウム | 資源ゴミコンテナ |
アンテナ | 資源ゴミコンテナ |
アスベスト | ゴミ回収ステーション |
灰 | 一般ゴミコンテナ |
車のバッテリー | 有害物質取扱所 |
こういった具合にゴミが300種類余りに分類され、それぞれ処分方法が記されている。表には日本で使われていない言葉がいくつか出ているが、これらは後の項目で逐次説明する。
◆ 家庭のゴミコンテナ
清掃局が家庭から収集するゴミの種類は一体いくつなのだろう? 筆者が住むカールスルーエ市では、住宅の所有者は敷地内にゴミの回収ボックス(以後“回収コンテナ”と書くことにする)置き場を作ることが義務付けられているが、その種類はわずかに3つ。
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写真1.1. 集合住宅のゴミ置き場と
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左から資源ゴミコンテナ、一般ゴミコンテナ、生ゴミコンテナ |
◆ 資源ゴミ(Wertstoff)
:回収後、分別作業場でリサイクル可能な資源ゴミとその他に分別されるもの。
<グリーンマーク(緑色の矢印)のついたゴミ・ 古紙・ ダンボール・金属・木材・プラスチックなど>
◆ 一般ゴミ(Restmuell)
:
回収後、直接最終処分場(焼却場、埋立地)へ運ばれるもの。
例えば次に挙げるような、分別・リサイクルできないゴミ。
<タバコの吸殻・掃除機のゴミ・汚れのひどい紙布類・陶磁器類・家庭の小さな工事で出るような土類など>
◆ 生ゴミ(Biomuell)
:
回収後、発酵処理工場でバイオマス発電の原料として利用されるもの。
<台所・庭などから出る生ゴミなど>
◆ ゴミ分別とゴミ料金
住民はゴミコンテナの使用料を月々市に支払うが、これがすなわち公共のゴミ料金ということになる。住宅から出るゴミの量に合わせて、使用するコンテナの大きさや数を自由に変えることができる。例えば3世帯が入居する小さなアパート(よくあるパターン:3階に大家、1階と2階をそれぞれ賃貸)ならば、以下のような感じだろうか。
資源ゴミコンテナ 240L×1個
一般ゴミコンテナ 120L×1個
生ゴミコンテナ 80×1個
表1.2. カールスルーエ市のゴミコンテナ使用料金
資料提供:カールスルーエ市清掃局、1ユーロ≒120円
資源ゴミコンテナ | 一般ゴミコンテナ | 生ゴミコンテナ | |
回収頻度 | 2週間 | 1週間または2週間 | 1週間 |
大きさ | 使用料金(ユーロ/月) | 使用料金(ユーロ/月) | 使用料金 |
80L | 6,14 | 13,54 |
無料 |
120L | 7,67 | 16,89 | − |
240L |
14,95 |
32,47 | − |
770L | 46,75 | 104,03 | − |
1.100L | 61,72 | 136,36 | − |
さて、アパートの住人が一丸となってゴミの減量に取り組んだとする。まず、ゴミの分別を徹底して一般ゴミを減らす。一般ゴミコンテナの使用料は資源ゴミコンテナより高いから、一般ゴミはなるべく少ないほうがいい。それから新聞・雑誌・ダンボールは資源ゴミコンテナではなく、貯めておいて無料の古紙回収日に出す。買い物では常に買い物袋を持ち歩き、ビニール袋はなるべく持ち帰らない、過剰包装商品は買わない、などに努力する。その結果、資源ゴミコンテナと一般ゴミコンテナがそれぞれ一ランク小さいもので済むようになれば、翌月からのコンテナ使用料(ゴミ料金)が少なくなる。このように、市民はゴミ分別によって直接利益を得ることができる。(生ゴミコンテナの導入は1999年。まだ試験期間ということもあり、2002年現在無料)
ところで、上には「アパートの住人が一丸となって」と書いたが、これは言葉ほど簡単なことではない。集合住宅が大きくなって「匿名性」が高くなるほど、ゴミコンテナの利用マナーは低下しがち。また、一個人、一家族がゴミの減量と分別をがんばったとしても、全体のゴミが目に見えて減ることも、ゴミ料金がびっくりするほど下がることも無い。
それから、多様な考え方を持つ人々に共通の高い意識を持たせることも大変だ。ドイツは人口の約10%が外国人(都市部ほど比率が高まる)だから、彼らの生活・行動様式がドイツ社会に与える影響はかなり大きい。これは聞いた話だが、アパートに住んでいる外国人のゴミ捨てマナーが悪いので同じアパートに住むドイツ人(たぶん女性)が注意した。そうしたら「何か文句あるのか!!!」と逆にすごまれて、それ以後は何も言えなくなってしまったそうである。ドイツのゴミ分別意識はヨーロッパの他国に比べてもかなり高い。さらに遠い国々からやってくる人々のゴミ意識をどうやって引き上げてゆくのか、工夫が必要になる。
さて、家庭ゴミの分別・処分方法についてなんとなくイメージをつかんで頂けただろうか。ここで断っておきたいのは、このレポートで述べるのは筆者が住むカールスルーエ市の話だということ。ゴミ処理は自治体が行っているので、市が違えばシステムも違ってくる。ゴミ減量・分別システムの将来像は各自治体で共通の部分も多いが、個々のシステムは異なっていることに留意されたい。身近なゴミの代表として、ヨーグルト容器の行方を写真と共で追いかけてみる。
◆ ヨーグルト容器のいろいろ
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写真2.1. エコショップのヨーグルト |
エコショップで売られているヨーグルト。左はビン入りで500g、右はプラスチック容器入りで150g。
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ドイツで狂牛病が発見されて以来、筆者はヨーグルトをエコショップで買うようにしている。普通のスーパーで安いヨーグルトを手に取ったときと、エコショップで少々高いヨーグルトを手にしたときでは安心感が全く違う。ヨーグルトと狂牛病の関連性については論じる立場によっていろいろな意見があるはずだが、その安心感にプラスアルファの金を払うことを惜しまない消費者は少なくない。どこかのビオ農家・ビオ食品生産者が消費者を欺いたとしたら、この安心感は跡形も無く崩れ去ってしまうが、幸いなことに今のところそういう報告はない。どちらのヨーグルトもビオ農家団体「ビオランド:Bioland」の製品で、Biolandのエンブレムが付いている。(ドイツの自然食品については本誌2002年1月号参照)
さて、本題に戻ろう。最近気がついたのだが、右のプラスチック容器入りのヨーグルトは外側のラベルが「取り外しできる厚紙」でできている。食べ終わったら「アルミのフタ・厚紙のラベル・プラスチック容器」の3つに分離して、家庭の資源ゴミコンテナに捨てる。プラスチックを使わず紙だけで容器を作ってもいいと思うのだが、技術的にできないのかもしれない。
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写真2.2. 厚紙のラベル |
黒と白の矢印がグリーンマーク。右端に、ビオランドとは別の公的機関の検査認証が記されている。
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◆ グリーンマーク
©DSD
グリーンマーク(Gruenepunkt)とは、リターナブル容器を除くほとんどすべての包装容器をカバーするリサイクルマークである。包装容器生産者は「デュアルシステム・ドイツ株式会社(Duales System Deutschland AG:DSD)」にライセンス料を支払い、製品にグリーンマークを印刷する。グリーンマークのついている包装容器は、製造業者に代わってDSD社の委託業者が収集・分別・リサイクルする仕組みだ。DSDは1991年に制定された包装廃棄物令をきっかけとして、製造メーカー、流通メーカー、小売業者などの出資によって設立された非営利会社の名前であり、システム自体の名前でもある。グリーンマークのついた包装容器は、専用の袋に入れてDSDの委託業者が収集する自治体もあるし、カールスルーエ市のように資源ゴミとして収集してから分別するところもある。
DSDのもっとも大きな特徴は、生産者が製造だけでなく回収・分別・リサイクルといった「製造後」にも責任をもつ「生産者責任」にある。ライセンス料は素材ごとに異なるので、包装の簡素化・減量化と、紙などライセンス料の安い素材(リサイクルしやすい素材)の利用が促進される。DSDはこの10年余りで大きな効果を挙げ、ゴミの減量、リサイクル産業の育成、リサイクル政策の向上に貢献している。今回は残念ながらDSDとグリーンマークについて詳しい解説はできないが、今後もドイツのリサイクルシステムはDSDを中心にして発展していくはずである。
図2.1. DSDの仕組み
グリーンマーク付き包装容器の流れ(マテリアルフロー)と費用負担の仕組み(マネーフロー)。
ヨーグルトの価格には生産者がDSDに払うライセンス料が転嫁されている。
注:簡略化しているので必ずしも正しくない部分がある。実際のシステムはもっと複雑である。
収集された資源ゴミは市が処理を委託している分別業者“バウトランスポート(Bautransport)”の分別作業場へ運び込まれる。この作業場は月曜から金曜まで毎日12時間稼動し、機械と人手を組み合わせて1日約100トンの家庭由来の資源ゴミを分別している(一部、事業所由来の資源ゴミも扱っている)。作業員は約60人で、ベルトコンベアー脇などで単純労働に従事するのは外国人労働者が多いようだ。
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写真2.3. 資源ゴミの搬入 |
オレンジ色の車両は清掃局のゴミ収集車。ゴミで目立つのはダンボールとビニール袋。自治体によっては住宅に古紙回収コンテナを設置するところもある。
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写真2.4. ベルトコンベアーで前処理工程へ |
前処理工程では人手を使ってビニール袋を切り開いたり、大きく重量のあるもの(例えばモーター)を取り除く。その後、機械によるふるいわけ分別、人手を使った分別、磁力を使った金属分別、赤外線検知器を使った自動分別などの工程が続く。これ以後の工程は企業秘密ということで撮影禁止。 |
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写真2.5. 圧縮・梱包されたプラスチック |
実に様々なプラスチック製品が含まれいる。この中にグリーンマークの付いたヨーグルトの容器も入っているはずだ。この後プラスチックの再生工場へ運ばれる。
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写真2.6. 分別されたゴミの搬出(ダンボール) |
たまたまダンボールを搬出していた。プラスチックも同じように運び出される。
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◆ ガラス容器の行方
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写真2.8. エコショップのガラス容器返却 |
ヨーグルトのガラス容器は購入した店に持っていくとデポジット(預かり金)を現金で返してくれる。システムはすばらしいが、ガラス容器の分別に人手と手間がかかるのも事実。
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さて、使用済みのヨーグルト容器は洗って返すべきか、それとも洗わずに返すべきか? 清掃局HPの返却マニュアルによれば「スプーンでかきとる程度で十分」。「工場で念入りに洗浄されるから家庭での洗浄は水道水の無駄使い」という論理だが、筆者は常々これに疑問を感じていた。ビンを未洗浄で置いておくとカビが生えるし悪臭もする。フタは付けて返却するのがルール(フタがないとビンの口が欠けて使えなくなる)だが、見た目は悪いし、洗浄工場の衛生環境にも問題があるはず。写真の返却ガラスビンを見ると、いずれもきれいに水ですすいであることがわかる。もう一度、容器のラベルをよく見ると「容器は洗ってフタを付けて返却するように!」と書いてあるではないか。これからはちゃんと洗って返却すようにしたい。
ところで、ガラスビン入り(500g)のヨーグルトは、筆者が知る限りどのメーカーも写真2.1. のタイプを使っている。どういう経緯で統一されたのか調べたことはないが、日本のビールビンのようにリターナブルに適したシステムである。そうなると、商品の差別化はラベルのデザインがすべて。目新しいビンに詰めて売り出すことも可能かもしれないが、リターナブルのシステムから外れた商品は消費者が好まないだろうし、「このビンでなければヨーグルトにあらず!」と思えるほどドイツ社会に浸透しているものだ。
これまでに説明した以外の家庭ゴミは、どのように処分すればいいのだろう。 下にいくつかの例を示す。
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写真3.1. 電池回収ボックス |
このような回収ボックスが、市内に約400ヶ所設置されており、清掃局が定期的に回収する。
大きいバッテリー(車のバッテリーなど)は清掃局が運営する有害物質取扱所へ持っていくか、市内に巡回設置される移動有害物質取扱所へ持っていく。 |
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写真3.2. 有害物質取扱所 |
有害物質は市のゴミ回収センター内の有害物質取扱所のコンテナ(写真黄色)で収集され、処理業者に引き渡される。有害・危険物質にもいろいろあるが「拳銃の弾」が匿名で持ち込まれることも。
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写真3.3. 古着・靴回収コンテナ |
修理すれば着られる古着・靴は市内に設置されている古着回収コンテナに入れる。これらのコンテナは赤十字や慈善団体が運営管理し、発展途上国のために役立てられる。
コンテナの設置には市の許可が必要だから、不適切な事業者は締め出されるはず。しかし慈善事業と見せかけて回収し、一般の流通ルートで利益をあげる事業者もいるらしい。 |
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写真3.4. ゴミ回収ステーションの古タイヤ捨て場 |
古タイヤは市の運営するゴミ回収ステーションに持っていくか、業者に引き取ってもらう(いずれも有料)。
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写真3.5. 粗大ゴミの日 |
タンスや机などの粗大ゴミは、地区ごとに年2回ある粗大ゴミの日に出すと、清掃局が回収してくれる。また、市のゴミ回収センターへ自分で持ち込むこともできる(いずれも無料)。粗大ゴミの日になると、その地区の路上はゴミだらけに。「回収後、清掃局が路上清掃するからかまわない」という考え方もあるが、もう少しスマートなやり方は無いものだろうか。
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写真3.6. スーパーの飲料品コーナー |
ミネラルウォーター、アップルジュース、オレンジジュース、ビール類はそれぞれビンの規格が統一されている。車などで来て、ケースごとまとめ買いする人が多い。デポジット(預かり金)付きのガラスビン・ペットボトルは買った店に持っていくと預かり金を現金で返してもらえる。
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写真3.7. ガラスビン回収コンテナ |
デポジットの無いガラスビンは市内に設置されたガラスビン回収コンテナに入れる。フタを付けない、陶磁器類は不可、耐熱ガラスは不可などの注意事項が書かれている。
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デポジット制度とガラスビン回収コンテナシステムの整備で、ガラスビンの回収率は非常に高い。しかし、ガラスビン回収コンテナからはビンを投入するたび「ガチャン!ガチャン!」とすさまじい音がするので、近くに住む人の精神的な負担は相当なもの(設置場所は市が決める。捨てていい時間帯は平日の8時から夜8時まで)。たまたま、ガラスビン回収コンテナの近くに住んでいたことがあるが、夜中にビンを捨てる不届き者が結構多い。そんなときは、決まって一番近くの住人が窓から顔を出し「夜中に捨てるな、バカヤロウ!!」と叫んでいた…。
さて、この先はまとめを兼ねて筆者の主観を含めて書くので、そのつもりでお読みいただきたい。
◆ ドイツのゴミ政策・リサイクルシステムに問題がないなどという事はありえない。家庭ゴミの分別一つとっても、まだまだ改善の余地があるし、環境やゴミに対する意識の低い市民も多数いる。全体として、ゴミ政策・リサイクルシステムが日本より進んでいることは間違いないが、ドイツ自身もよりよい方法を模索している段階であることを認識していただきたい。
◆ ドイツへ環境・ゴミ視察へ来る日本の方が空港に降り立ってまずすることはゴミ箱の中を覗くこと?! 「ドイツのゴミ分別状況はこんなものか?」と落胆される方も多いようだが、筆者がお勧めしたいのはとにかく先入観を捨ててドイツの状況を眺めること。日本に伝わるすべての情報がドイツの状況を正しく反映しているとは限らない。
それから、大人数でゴミ箱を覗き写真を撮るのはやめましょう! ゴミは人に見せるものではないし見られたくないもの。世界中どこでも、人がゴミ箱を覗く光景は変である。目立つからだめ、目立たなければいいという問題ではないが、見るときは節度を持ってお願いします!
◆ 以前、ゴミ回収センターで写真を撮っていたら「許可なしの撮影は禁止」と注意されたことがある。管理者の許可を取らずに撮影した筆者が非常識だったのだが、何か特別な事情がありそうだったので聞いてみた。それによると、いつ誰がどのように撮ったのかわからない写真が、誤った説明とともに新聞に載ったことがあるそうだ。写真に限らず、ゴミに携わる人々は報道に対して神経を使っている。それだけ批判の対象になる機会が多いということか。清掃局が積極的に広報活動を行うのには、そんなところにも理由がありそうだ。
◆ 不法投棄
ドイツにも不法投棄の問題がある。家庭ゴミに関しては「他人のコンテナに捨ててしまう!」とか「公共のゴミ箱に捨てる!」人がいるので、住宅によってはゴミコンテナのフタにカギをかけている。また、一般道沿いの駐車場のゴミ箱に捨てられるゴミは「8割以上が家庭ゴミ」という調査結果もある。
◆ 最後のカギは教育
分別の誤りや不徹底に罰金を課すこともできるが「罰ではなく教育と啓蒙」によって状況を改善するのが市清掃局の基本姿勢。清掃局でヒアリングを担当してくれた方の言葉「圧力には圧力が返ってくる」が印象的。その話をある日本人にしたら「性善主義だね」と苦笑いされた。そんな甘いやり方で物事が変わるはずがないと感じたのかもしれないが、最後のカギとなるのは教育である。市清掃局では様々な啓蒙活動や幼稚園・小中学校を中心とする教育活動に力を入れている。これも担当者の言葉だが「家庭のゴミ分別は子供の任務」。子供の意見によってゴミ分別に本格的に取り組む家庭も多い。
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写真4.1. 西ゴミ処分場を見学した幼稚園児の作品 |
ゴミ収集車、清掃作業員、ゴミの山が新聞の切抜きなどで描かれている。
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5.取材協力:
* カールスルーエ市清掃局(Amt fuer Abfallwirtschaft Karlsruhe)
http://www.karlsruhe.de/Umwelt/Abfall/index.htm
* カールスルーエ市・西ゴミ処分場(Deponie West)
http://www.karlsruhe.de/Umwelt/Abfall/oeffnung/oeff_dep.htm
* ゴミ分別業者 バウトランスポート(Bautransport)
http://www.bautrans-umweltservice.de/
* DSD(Duales System Deutschland AG)
http://www.gruener-punkt.de/index_js.html