17. テレビ撮影 2001/8/16

イツのコメディー

今日はドイツのテレビ撮影のお話です。先週、放送局の人から『急いで日本人男性を探している!』と電話がありました。何かの撮影のために日本人親子役が必要なんだそうです。何をやるのか全くわからないまま、とにかくOKして約束の日時にバーデンバーデンのテレビ局を訪れました。

まず連れていかれたのは衣装倉庫。係りのひとが用意してくれたのはバイエルンの民族衣装(男性は革の短パン。お尻や足を手のひらでたたきながら踊るのを見たことありませんか?)。予想通り変な展開になってきましたが、何の役をやるのか謎は深まるばかり。 街のロケ現場に連れて行かれ、撮影風景を見ているうちに、どうやらコメディー番組を撮っていることがわかってきました。

さらに詳しい話を聞くと、清掃局員が主人公のコメディーだそうです。私たちが演じるのは日本人観光客家族。ドラマの清掃局員に写真を撮ってくれと頼む場面であることがついに判明! バイエルンの民族衣装は衣装係のアイデアだそうですが、そんな日本人を見たこと無いです! 3時間ほど待ち、15分撮影して終りました。練習は2、3回。

後で話を聞いたら、日本人男性を探すのにずいぶん苦労したそうです。適当な人が見つからなかったらベトナム人男性に演じてもらおうと思っていたとか。スタッフが偉いと思うのは、本当の日本人を苦労して探したこと。外国映画を見てもわかる通り、日本人でない東洋人が日本人を演じることがたくさんあります。その方が役者を探すのが簡単だからです。日本人がそういう番組や映画を見ればおかしいと思いますが、ヨーロッパの人がそれを見ても区別はつきません。それどころか“日本人を演じる中国人”を見慣れているので、彼らのイメージでは“中国人の方がより日本人らしい”なんてことも(笑)

今回撮影した番組は9ヵ月後くらいに、単発の番組として放送されるそうです。いったいなぜそんな後なのか理解できませんが…。清掃局員の話だけに、バナナの皮を踏んづけて転ぶ通行人なんかもいました。そんな縄文式のギャグで笑う人がいるとはとうてい思えませんが。ところでバナナの皮で転んだ役者さん、本当に足首をねんざしてました。役者は大変ですね。

テレビの撮影風景
後ろに見えるトラックが清掃車。オレンジのズボンをはいているのが清掃員役の人です。この場面はわずか5分くらいでしたがなかなか監督のOKが出ず、撮影に計2時間かかりました。
日本人親子
やはり民族衣装を来た奥さん役と子供役。ご主人がこの放送局で働いているんだそうです。とてもよく似合っていますね。バイエルンに行った方で、こういった民族衣装を買った方いらっしゃいますか?
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