給油はセルフサービス |
ほとんどのガソリンスタンドで給油はセルフサービスです。もちろん窓を拭いてくれたり、タバコの吸い殻を捨ててくれるサービスなどありません。至れり尽くせりの日本のガソリンスタンドがちょっと恋しくなります。友人によれば、十数年前まではガソリンスタンドの店員が給油してくれたそうですが、セルフサービスになった理由は人件費の高騰。
人件費を削っているにもかかわらず値段は日本より高め。ドイツも日本と同じく石油を海外から買っています。原価は同じようなものでしょうから、ガソリン税がいかに高いかわかります。
前回の総選挙のあとで緑の党はSPDと連立政権を組みました。緑の党は選挙運動中「ガソリン1リットルを5マルク(約300円)にする!」という公約を掲げましたが、あまりに現実離れしているので実現はしませんでした。それでもガソリン税が高くなって1リットルあたり10円くらい値上がりしました。 “税金を上げる ≫ 車が減る/環境対策のお金が増える ≫ 環境保護に役立つ” という理論ですが、この考え方は部分的にしか正しくありません。ドイツは車社会です。ガソリンが値上がりしても車の使用をすぐにやめられるわけではありませんから、まず庶民の生活が圧迫されます。ある金持ちの知り合いは“ガソリン1リットル5マルク”に大賛成です。彼にとって、ガソリンの値上がりはいたくもかゆくもありません。 “ガソリン値上がり ≫ 車を使う人が減る ≫ 渋滞がへる” というブラックなユーモア。 今のドイツ経済を引っ張っている代表格は自動車産業。そういう社会の構造から変えていかないと化石燃料の使用量は減らせません。ドイツが目指しているのは単純な“脱車社会”ではなく、“公共交通と自家用車が理想的に共存する社会”。公共交通機関の充実、市街中心からの車の締め出し、カーシェアリングの普及などが行われていますが、次世代の交通の在り方についてはドイツでも試行錯誤が続いています。。
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